【彼女が死んだ夜】 西澤保彦

門限六時。家が厳しい女子大生ハコちゃんはやっとアメリカ行きの許しを得た。出発前日、親の外出をいいことに同級生が開いた壮行会から深夜帰ると部屋に女の死体が!夜遊びがバレこれで渡米もふいだと焦った彼女は自分に気があるガンタに遺棄を強要する。翌日発見された遺体は身元不明。別の同級生も失踪して大事件に。匠千暁、最初の事件。(「BOOK」データベースより)
またまた西澤作品。
西澤作品はシリーズ物なのに
出版の順と、物語中の時系列がバラバラなことがよくあるのですが、
こちらは「タック&タカチシリーズ」の(作中での)最初の事件だそうです。
私にとっては、「解体諸因」 「麦酒の家の冒険」に次いで、
このシリーズは3作目。
なんですが、私、「麦酒の家の冒険」が苦手だったんですよね・・・
麦酒を飲みまくる描写と、推理というより妄想すぎる議論が辛くって。
仲良し4人組のメンバーを誰一人好きになれなかったせいもありますが。
なので、このシリーズは大好きな西澤作品の中でも敬遠していました。
でも、こちらは当たり!
面白かったです。
麦酒はあいかわらずちょいちょい飲んでるんですが、
「麦酒の家~」と違って場所が変わるおかげで
ウンザリさせられることもなく、
タックの出した結論も十分納得のいくものでした。
今回初めてボアン先輩が好きになったこともあって、
かなり楽しんで読めました。
結末はそうか~そうきたか~という感じです。
ハッピーエンドとは程遠く、後味は決して良くないんですが、
そんなところも嫌いではなかったりして。
「麦酒の家~」でみんなが元気なかったのはそのせいだったのね。
今回は犯人がただただかわいそうだったな。
あんなことしちゃ殺されても文句言えないよなぁ・・・と思ってしまいました。
★★★☆☆ 3.5


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