【遠まわりする雛】 米澤穂信

省エネをモットーとする折木奉太郎は“古典部”部員・千反田えるの頼みで、地元の祭事「生き雛まつり」へ参加する。十二単をまとった「生き雛」が町を練り歩くという祭りだが、連絡の手違いで開催が危ぶまれる事態に。千反田の機転で祭事は無事に執り行われたが、その「手違い」が気になる彼女は奉太郎とともに真相を推理するー。あざやかな謎と春に揺れる心がまぶしい表題作ほか“古典部”を過ぎゆく1年を描いた全7編。(「BOOK」データベースより)

やるべきことなら手短に/大罪を犯す/正体見たり/心あたりのある者は/あきましておめでとう/手作りチョコレート事件/遠まわりする雛




面白かった~!!

日ごろはどちらかというと長編好きな私。
短編は長編ほど入り込めない、という偏見があったのですが、
こちらはそれを覆してくれました。

古典部シリーズ一冊目では
思わずやめてしまおうかと思うくらい微妙だったのだけれど、
頑張って読み進めてほんとに良かった。


古典部入部~氷菓事件~文化祭の合間を補うお話と、
文化祭から春休みまでの一年間の物語。

この短編集はハズレが全くなくて全部面白いけれど、
中でも好きなのは「大罪を犯す」「正体見たり」「手作りチョコレート事件」。

「大罪を犯す」は、謎云々というより4人のやり取りがとっても楽しい。
冒頭の摩耶花の怒りっぷりもなんだかかわいくて爽快。(←摩耶花ファンです)

「正体見たり」はオチは読めるものの、米澤さんらしいほんのりほろ苦い結末が好き。
でも、アニメではどうやらビターな感じはウケないようで、
姉妹の仲をフォローするシーンが入ってました。
あれがダメなら「手作りチョコレート事件」はできないかもなぁ^^;


んでもって、その「手作りチョコレート事件」。
通勤電車の中で読みきったのですが、危うく涙腺崩壊しそうになりました。
まさか古典部で泣かされるとは思わなんだな~
「クドリャフカ~」でもちらっと里志の心理描写がありますが、
里志が摩耶花をのらりくらりかわしていた理由が明らかになります。
まさかそんなこと考えてたなんて。
このお話は古典部の中でもかなり苦い方に入りそうですが、
摩耶花大好きな私としては嬉しくてしょうがなかったです。
まあ、私が摩耶花だったとしても、やっぱり里志の思考は理解できそうもないかな^^;
古典部一の変人は間違いなく里志だと思う。

後味が悪いという方も多そうですが、
苦くて切なくて、余韻に浸るようなお話でした。
工作員も個人的にツボでした(笑)


「遠まわりする雛」ではホータローとえるの距離感が少し変わりますが、
個人的には摩耶花&里志コンビの方が、わたし気になります!
でもこういう色恋沙汰って、微妙な距離感とか空気感が心地良かったりするので、
(当人達には申し訳ないけど)関係が縮まりすぎないことをこっそり期待。


ところでこのアニメ絵↓の文庫本

ずっと限定版の表紙だと思っていたのですが、どうやら特大帯だったようです。
帯の下には通常の表紙がありました。
特大帯の裏にはアニメ設定集が。
買うのはこっぱずかしいけど、それ見てちょっと欲しくなってしまった。
古典部4冊目にしてようやく主役のホータロー登場。
4人の中で何気に一番地味だからか?^^;


そうそう、米澤さんといえば。
先日書店を徘徊してたら、綾辻さんの「時計館の殺人」が平積みに。
新作でも映像化でもないのになんで??と思ったら、
どうやら新装改定版が出たようです。
  
で、その新装改定版の解説が米澤さん。
綾辻さんも米澤さんも好きな作家さんなので、
もの凄い勢いで解説を立ち読みしてしまいました。(え?)
「暗黒館」まで揃えてあるのですが、あちらも新装改定版出るのでしょうか。
ちっと早まったかもしれないなぁ^^;

★★★★☆

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