【秋期限定栗きんとん事件】 米澤穂信

あの日の放課後、手紙で呼び出されて以降、ぼくの幸せな高校生活は始まった。学校中を二人で巡った文化祭。夜風がちょっと寒かったクリスマス。お正月には揃って初詣。ぼくに「小さな誤解でやきもち焼いて口げんか」みたいな日が来るとは、実際、まるで思っていなかったのだ。-それなのに、小鳩君は機会があれば彼女そっちのけで謎解きを繰り広げてしまい…シリーズ第三弾。(「BOOK」データベースより)



小佐内さん、こわっ!!


同じ米澤さんの青春日常系ミステリでも、
詐欺だったり、誘拐だったり、放火だったりと、
小市民シリーズは古典部シリーズより犯罪色が強いですね。

巻が進むごとに面白くなるのは、古典部同様。
面白くて一気読みしました。

本作はちょこっと日常の謎解きを混ぜつつ、
全編にわたって放火事件が描かれています。

この先物語の内容に触れますので、
シリーズ未読の方はお読みにならないことをお勧めします。


放火犯はたぶんかなり分かりやすかったと思うのですが、
犯罪より小佐内さんの企みにすっかり気を取られていた私。
ぼーっと読んでいたら放火犯の正体に普通にびっくりしました^^;
小鳩くんの情報操作はあっぱれ。
あの作業を想像すると、五日市くんはかなり大変だっただろうなぁ。
最後のコラムで溜飲を下げられたみたいだけど。

最大の謎は、放火事件の顛末ではなく、
誰にどうやって復讐するかということですが、
さすが小佐内さん。
予想もつかないところからやってくれました。

いくら小佐内さんでも、放火まではしないだろうとは思っていたのだけど、
案の定放火犯も震え上がるような小佐内さんの鉄鎚。
法律には何も触れてないあたり、ある意味完全犯罪ですよね。素晴らしい。

叩きのめしてる段階ではちょっと痛快に感じてしまったのですが、
ラストの台詞で復讐された人が猛烈に気の毒になりました。
そんなことでそこまでやるか、小佐内さんよ。
でも、かわいくて怖い小佐内さん、不思議と憎めません。
「この子、他愛ないな」発言には酔いました。
小市民シリーズがアニメ化しても面白かったのにな。


しかし、小鳩くんもとことんいい性格してますね。
クラスメイトの名前も覚えないとか、
知恵の働かない彼女をつい馬鹿にしてしまうとか、いろいろひど過ぎる。
健吾があまりにもいいヤツすぎて、
小鳩くんのあざとさが際立つこと際立つこと。

前作まではそこまでして封印しなくてもいいんじゃないかと思ってましたが、
二人の欲望を本能のままに解放させたら、社会非適合者ですよね^^;
確かにある程度頑張って抑えないと、暮らしにくそう。


さあ、次はいよいよラストと思われる冬期限定。
どのように締めくくるのでしょうか。
二人を栗きんとんにしてくれる存在が現れるのか、
はたまたこのまま我が道を突き進むのか。
本作の秋期限定が面白かったので
早く出てほしいような、もっと先でもいいような、
ちょっと複雑な気分です。

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