【死者は黄泉が得る】 西澤保彦
西澤作品続々いきます。
死者は黄泉が得る」読了~



死者を蘇らせる装置のある謎の館。そこには生ける屍と化した女性達が、生前の記憶を一切失ったまま、仲間を増やしながら生活していた。その隣町では、美女を巡る不可解な連続殺人が…。犯人のねらいは?そして事件と生ける屍たちの関係は?意外なラストは他言無用、奇手妙手を尽くした西沢流本格推理。(「BOOK」データベースより)


ただいま絶賛ハマっている西澤さんのSFミステリ。

面白かったー!!

死者を生き返らせる装置のある館における「死後」のパートと、
アメリカのとある街で起こる連続殺人事件の「生前」パートが交互に展開されます。

「死後」パートでは西澤さん作品お馴染みの細かいルール説明が。
めちゃくちゃ簡単にいうと、
館に来た訪問者を殺し、[SUBRE]という装置に掛けて蘇らせ、
自分たちの仲間にしてしまう。
蘇った者はもちろん、館のメンバーも一緒に[MESS]という装置に掛け、
新参者を迎えるたびに全員の記憶をまっさらな状態に戻すという。
なので、生きているときの記憶はもちろん、
直前に仲間が入るまでの記憶はもっていない。
この珍奇なルール設定が毎回愉しかったりする。

「生前」パートでは、
高校時代の友人が次々と襲撃されていきます。
登場人物が外国人名なので、1/3あたりまで名前を覚えられませんでした^^;
願わくば日本人名にしていただきたかったかな。。
それでも展開が早く、適度に個性はあるので退屈することはありませんが。


物語は二転三転し、最後の対決では頁を繰る手が止められず。
構成が上手いなぁ。

最後の一行のどんでん返しは評価が分かれているよう(というか不評?)ですが、
途中で一度は疑ったこともあり、私は好きです。
(ネタバレ反転)
クリスティンがジュディのことをミシェルだと嘘をついたのも、
クリスティンの性格を考えたらなんとなく理解できます。
罪を被せたい・口を封じたい事件関係者が二人いたら、
若い姿で存在していることがより許せないのは、当然長年の友人の方だろうと。
ミシェルとは最後の拉致が初会話のようですしね。


同じやりすぎ感のあるどんでん返しでも
そして誰もいなくなる」 は蛇足だと感じたのになんでだろうと考えると、
読後感の良さからかもしれません。

全体を見れば、決してハッピーエンドとは言えない事件ですが、
あのラストのおかげで救いが感じられるのがいい。
清清しく読み終えることができました。

解釈が難しい面も少しあるけれど、すごく面白かった。
この作品がオマージュしたという
山口雅也さんの「生ける屍の死」もぜひ読んでみたいです。


それにしても、西澤作品は愉しくて仕方ないのですが、
面白い作品ほど残しておきたいという複雑な心境で困っています。

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