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『夏の夜会』 西澤 保彦

こゆりす


祖母の葬儀のため、久しぶりに帰省した「おれ」は、かつての同級生の結婚式に出席した。同じテーブルになった5人は皆小学校時代の同級生。飲みなおすことになり、思い出を語り合い始めたが、やがて30年前に起こった担任教師の殺害事件が浮かび上がる…。女性教諭は、いつどこで殺されたのか?各人が辿る記憶とともに、恐るべき真実が明らかになっていく。



西澤ミステリではお馴染みの、忘れた記憶を探る系ミステリ。
終始一貫して、記憶というものがいかに曖昧で不安定なものであるかがテーマ。
同窓会で再開した男女5人は担任の先生について語り始めるが、
そもそも先生の生死すらあやふや。
記憶とは真実のデータベースではなく、
人の都合に合わせていかに簡単に改ざんされるか、興味深く読みました。

同作家さんのタックシリーズでは一晩中同じメンツでビールを飲み続けて
読んでいるだけでげんなりした作品もあったのですが、
こちらは人も場所も入れ替わりながらの展開なので、飽きずに読めました。

それにしても、先生のヒステリーが酷すぎて、
更年期障害だったじゃ済まされないレベル。
時効を迎えた殺人事件なので、真相を思い出しても犯人に社会的制裁はなく、
ちょっとモヤモヤするけど、こういうのも嫌いではない。

ただし、難読名が多い西澤作品の中でもこちらは飛び抜けて難読。
苗字がスムーズに読めず、何度も登場シーンまで戻るはめになりました。
珍名はいいけど、覚えられる名前にしてほしいです^^;

あと、タイトルがちょっと微妙かなと。
実際に読んでから10ヶ月経ったせいもありますが、
題名だけ見てもどんな作品だったかさっぱり思い出せませんでした^^;

なんだかんだ書きましたが、
謎が魅力的で、妄想をこねくりまわすのが面白く、
定期的に読みたくなるのが西澤作品。
そろそろまた何か読んでみよう。


★★★☆☆ 3.5


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Posted byこゆりす

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