【風の万里 黎明の空―十二国記】 小野不由美
 
慶国に、玉座に就きながらも、王たる己に逡巡し、忸怩たる思いに苦悩する陽子がいた。芳国に、王と王后である父母を目前で殺され、公主の位を剥奪されて哭く祥瓊がいた。そして、才国に、蓬莱で親に捨てられ、虚海に落ちたところを拾われて後、仙のもとで苦業を強いられ、蔑まれて涙する鈴がいた。負うにはあまりある苦難の末に、安らぎと幸せを求めて、それぞれに旅立つ少女たち。その果てしない人生の門が、いま開かれる。



陽子が再登場。
今回は日本では女子高生だった陽子の同世代三人娘の話です。
同世代といっても、それは外見年齢の話。
三人とも仙籍に入っているので、実年齢でいうと
祥瓊はおばさん、鈴は100歳超えのおばあさんなのですが^^;

アニメを先に観ていたので、鈴と祥瓊の性格は知っていましたが、
上巻の鈴と祥瓊にはかなり苛々させられます。
特に鈴の不幸自慢は自分と重なる部分があるから、
苛々するだけではなく、読んでて耳が痛いったらない(苦笑)
祥瓊はともかく、鈴の境遇は文句なしに可哀相だとは思うのだけど、
実年齢を思い出すとなんとまあ幼いのかと^^;
この世界では、仙籍に入って見た目の成長が止まると
どうやら精神的な成長も止まってしまうらしい。笑

どうして天命のあった王が民を虐げるのかずっと疑問だったのだけど、
尚隆の言葉を聞いてやっと納得しました。
我儘を全てかなえてもらって、贅の限りを尽くしても、
満足できるのはきっと短い時間で、そんなのはいつか飽きてしまうのだろう。
賢君と呼ばれる王は、きっと別のところに意義を見出すことができたんだろうな。

陽子は相変わらず生真面目な頑張り屋さんで、
それ以上に真面目な景麒とのやりとりが辛かった。

下巻はとにかく痺れっぱなしでした。
次々にピンチが訪れる戦闘シーンもゾクゾクしたし、
「月の影~」では特に好きでも嫌いでもなかった陽子がとにかくもう格好良すぎて!
この物語で一気に大好きな登場人物になりました。
麒麟に乗って禁軍の前に現れる場面が特に好き。

それにしても、王の権限でできることはここまで少ないものか…。
この件でたくさんの犠牲が出たけど、
信頼できる人にたくさん出会えたのは不幸中の幸いかな。
陽子はもちろん、虎嘯や夕暉の今後がぜひ見たいです。

陽子に必要とされたからとはいえ、
ちゃっかり王宮にいられることになった鈴と祥瓊の言い草には
冗談だと分かってはいてもモヤっとしてしまう私です^^;
ちょっと二人とも、陽子にもっと感謝して!偉そうに口をきかない!笑

最後に、ちょっと生意気だけど心の持ちようが素敵な清秀も好きでした。


★★★★★


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