【葉桜の季節に君を想うということ】 歌野晶午

「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たしてー。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。(「BOOK」データベースより)



大どんでん返しの小説といえば、必ず名前が挙がるこちらの本。
歌野さんの本は「密室殺人ゲーム」シリーズだけですが
読みやすかった記憶があって、
たまたま図書館で見かけたこともあり借りてみました。

大どんでん返しの売り文句に身構えて読んでいましたが、
それでもものの見事に騙されました。
いやあ、爽快爽快。

成瀬将虎の生き方がね、
遊び人なのにまためちゃくちゃカッコいいのだ。
こういう心の持ちようとは対極な私ですが、
なんと素敵なんだろうと痺れました。
周囲を固める綾乃やキヨシ、愛ちゃんや安さんも魅力的。


タイトルといい、大どんでん返し系といい、
読む前は「イニシエーション・ラブ」みたいな話なのかと思ってましたが、
こちらの方が断然好き。
最後のオチを除いても、
ハードボイルド調の凶悪な詐欺集団やとある老人との交流など、
お話自体が面白いので一気読みしてしまいました。
特に過去の暴力団の潜入捜査は
ミステリとしても面白く読めました。

タイトルも秀逸ですね。


最後に。
思いっきりネタバレなんで反転しますが、
そんなカッコいいトラちゃんが選んだのが古谷節子ってのはさすがにどうなの?
借金を作った理由も救いようがないし、
最後の最後まで自分のことだけで、
被害者に申し訳なく思ってる節もないし。
挙句自分を殺そうとした女なのに。
それまでどんなに愛してても、怖くなるのが普通ではないかと・・・
(反転終わり)
それだけが唯一モヤモヤしてしまいましたが、
そう簡単に割り切れないのが人情ってものなのかしら。


★★★★☆


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