【ボトルネック 】 米澤穂信

亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪れていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した…はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。(「BOOK」データベースより)



・・・うーん、これはキツイ。
なんとまあ、暗くてじめじめしたお話でしょう。

米澤さんを初めて知ったときから
ボトルネック」は後味が悪いと噂に聞いていたので、ずっと後回しにしてきた作品です。
米澤さんに鍛えられ、苦いストーリーにもずいぶん慣れてきたこともあり、
それなりに覚悟して読んだのでダメージは最小限でした。

私はどっちかっていうとリョウ寄りの人間なので(リョウほど達観してはないけど)
この話はちょっときつい。
まあ、リョウと違うのは、自分がいない”もうひとつの可能世界”は
良くも悪くもほとんど何の変化もないかもな、ということぐらい。
こんな世界見せ付けられちゃとても生きてけないな…。
話が終わりに近づくにつれ、息が苦しくなるような思いで頁をめくりました。

・・・と思っていたのですが。
私はリョウ以上に想像力が欠如しているため
最後の一行に理解が及ばず、あちこち読み歩いていたら
ハッピーエンドだとする解釈もありました。
そうか、そういう風にも読めるのね~
奥が深いです。

でもちょっと思ったのは(ネタバレ気味なので反転します↓)、
たまたま自分がいなかった方が良かった部分だけを見せられただけで、
逆のパターンもあるんじゃないかな、と。
サキの良かれと思ってしたお節介や、楽天家な性格が災いしたことも
ないとは言えないんじゃないかなぁ。
そんな世界をリョウには見せ(見え)なかっただけで。
明るく楽天的な性格だからといって、
全ての事象を好転させられるとはちょっと思えませんでした。


どちらにしても気持ちの良い話ではなく
読む人を選ぶ作品であるのは確かですし、
落ち込んでいる時に読むのは断じてオススメしません。

読めば読むほど暗く、重くなっていく話ですが、
安易なハッピーエンドを描かない米澤流の苦さが癖になってしまったようで、
面白いとは言えないけど、これはこれでアリかな、とは思いました。
でも、今まで読んだ米澤作品の中では一番ピンとこなかったかも^^;

重い中でも、姉と弟のやり取りは結構好きでした。
ひそかにSFっぽいお話も好みなので、
バタフライエフェクトによる間違い探しがもっと見たかったな。


米澤穂信コンプリートまであと3冊。

★★★☆☆

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