【Another】 綾辻 行人
今年の1月からアニメが始まり、どちらから手をつけようか散々悩んだ結果、
アニメと同時進行(原作やや先行)で読んでいた綾辻さんのホラー、「Another」。
ちなみにW映像プロジェクトということで、実写映画も撮影中なんだとか。

基本的にホラーは得意ではないので、
館シリーズで綾辻ワールドにハマってなければ
おそらく読んでいないであろうこの作品。

下手に原作を知っていると、別メディアの作品に不満を持ってしまいがち。
といって、テンポが速いアニメを先に見てしまうと、
文字だけの小説は、展開がじれったく感じてしまうし、
途中で重大なネタバレを受けるかもしれないし。

悩んだ挙句、抜きつ抜かれつしながら
なるべくペースを合わせて読むことにしました。
幸いアニメが原作に忠実に作ってくれていたので、
いいところ取りした気分で読む(観る)ことができました。


作品の核心には触れないよう書いているつもりですが(一部は反転)
物語の内容に触れますので、これからお読みになる方は十分ご注意ください。



 
夜見山北中学三年三組に転校してきた榊原恒一は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。同級生で不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、謎はいっそう深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木が凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい何が起きているのか!?いまだかつてない恐怖と謎が読者を魅了する。名手・綾辻行人の新たな代表作となった長編本格ホラー。(「BOOK」データベースより)


登場人物達と同世代で(もちろん今中学生ではなく、作中の時代でという意味で)、
なんだかあの頃が懐かしくて、妙に親近感を感じてしまいました。
一部の子たちがポケベルを持っていたくらいで、
さすがに中学生でケータイ持ってる人はいませんでしたが。

上巻を読んでいる間、なんだか既視感を感じるなぁと思ったら、
最近読んだ、奥様の小野不由美さんの「魔性の子」と印象が似てる!

一方は先生、もう片方は生徒とその立場こそ違うけれど、
新参者である主人公が感じる、クラスの異様な雰囲気。
その中の一人の生徒が独特の存在感を放っているが、
クラスメイト達はその問題の生徒と接触しようとしない。
主人公は初日からその生徒のことが気になって仕方なくて、
積極的に関わっていくうちに凄惨な事件が起こる・・・という具合に。
どちらもホラーだし、ここからどう事態が動くのかなとドキドキ。


読み進めていくと、ホラーはホラーだけども、
半分はしっかりミステリでもあって、
その仕掛けや伏線の張り方がなんとも綾辻さんらしい!
館シリーズを連続で読んでいたせいか、
綾辻さんのトリックには割と慣れてきたつもりでいましたが、
今回はきれいに騙されました。爽快!

実は私、あるサイトでうっかり<死者>のネタバレを受けてしまって・・・。
ショックを受けつつも、それが間違いだったらいいなぁと思いながら読んでいました。
ネタバレは残念ながら間違ってはいませんでしたが、
肝心の半分以上の要素はわかってなかったので、
快感をほとんど損なうことなく味わえたのでした。
ま、死者が誰かっていうだけなら、
普通に読んでてもわかったんじゃないかとは思いますが。

今年読んだ本(っていってもたかだか十数冊ですが)では一番驚いたし、面白かった。
ホラーといってもビビりの私でも読めるほどなので、そう怖い方には入らないかと。
多少のグロやぞくっとする部分はありますが、
怖さの程合いが私にとってはちょうど良くて
綾辻さんの作品の中でもこれはかなり好きな方に入りそうです。

・・・しかし榊原くん、ぶっちゃけ中盤のあの状況をちょっと楽しんでやしないかい?
一人なら辛いだろうけど二人なら(しかもあの相手なら)いいやん~、
榊原くんは進路の心配もないんだし~とか思ってしまいました^^;

現象の根本的な解決になっていないという声もあるようですが、
ホラーなのだし私はこれで良いと思う。
あえて我侭を言うなら、死者の見つけ方に捻りがあれば良かったかな。
ある人物の自己申告による特殊能力だけなので、
ラストにあれだけの行動を起こさせるのはちょっと弱いかな…と。


後書きで続編を示唆されていましたが、先日こんなツイートがあったようです↓

diary-915.jpg
diary-914.jpg

呪い自体を解く続編なら、ぜひ読みたい!
鳴と榊原くんのスピンアウトは…あんまり。
なぁんて言いながらも、出版されたら読まずにはいられないだろうな。
それくらい、この「Another」は絶品でした。



最後にアニメと見比べた感想を。
同時に観てきましたが、かなり原作に忠実に作られていたように思います。
アニメのことはよくわかりませんが、
音楽も映像も雰囲気によく合っていたし、
キャラクターもほとんどがイメージ通りでした。
(唯一合わないと感じたのは ちょっとネタバレ 玲子さん。オチを考えたらそれも仕方ないのですが^^;

最後の惨劇シーンではサバイバル風に改変され、
原作よりもより凄惨に描かれていましたが、映像作品的にはそれもアリだなと。
個人的に水着回だけは要らないと思ったのですが、
アニオタ的には必要なんだそうです^^;(by 夫)

アニメのラストはOBと同じことをしていましたが、あれはヤバい。
アニメの壮絶なクライマックスを見てると、あんなものが残ってたら、
例年の災厄より悲惨なことになるのが目に見えるのですが。
こうなったら本人は嫌がるだろうけど、
特殊能力のあの人に毎年出張してもらうしかないのではなかろうか^^;

映像化が難しいと思われる核心部分ですが、
思ったより上手く処理されていたと思います。
というか、並行してアニメを観ていたがために
視覚的な先入観で余計疑うことができなかったような気もしますが^^;
これ、実写映画はどうするんでしょう。
ちょっと観てみたい気もします。

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