『神のロジック 人間(ひと)のマジック』 西澤保彦

ここはどこ?何のために?世界中から集められ、謎の“学校”で奇妙な犯人当てクイズを課される〈ぼくら〉。やがてひとりの新入生が〈学校〉にひそむ“邪悪なモノ”を目覚めさせたとき、共同体を悲劇が襲う―。驚愕の結末と周到な伏線とに、読後、感嘆の吐息を漏らさない者はいないだろう。傑作ミステリー。



西澤さんの小説、特にSFミステリが好きで割とよく読むのですが、
これはその中でも傑作。

目的不明の学校に軟禁された6人の少年少女達。
毎日、謎の犯人当てクイズをさせられるのが日常でしたが、
新入生が入ってきた日から不思議で平穏な毎日が崩れ去る・・・。

もうね、転入からの展開が怒涛すぎて、
ページを繰る手を止められませんでした。

殺人事件の真相よりも、この学校の目的に驚愕。
斜め上からくる真相なのに、思い返してももうこれ以外ないというオチ。
伏線の回収やタイトルも素晴らしくて、
これぞ西澤作品の真骨頂という作品でした。
主人公たちのその後を想像すると、なんともいえない気持ちになります。

私も某有名作を思い出しましたが、こちらの方が好み。
読書メーター等ではその作品名を挙げる人がたまにいるので、ネタバレ注意。
気になる方は一切の前情報なしで読むことを強くおすすめします!


★★★★★


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2017年9月読書まとめ
先月は小説・絵本ともに少なめ。
ベストは「ワーキング・ホリデー」でした。
坂木さんは「和菓子のアン」シリーズしか読んだことがないのですが、
お仕事小説がお上手な方だなぁと。

堂シリーズは数学談義が難しいながらも妙にハマっています。
あと1冊で既刊分は読了予定ですが、
最近の巻では大風呂敷を広げているので少々心配でもあります^^;



9月の読書メーター
読んだ本の数:9
読んだページ数:1243
ナイス数:325

おまえうまそうだな (絵本の時間)おまえうまそうだな (絵本の時間)感想
息子の足に破片が刺さり、急きょ切開手術をすることになった外科に置いてあった絵本。気に入ったらしく、本日二回目の通院でも真っ先に手に取った絵本。タイトルは聞いたことがあったけど、こんないい話だったとは。先月行った恐竜展でアンキロサウルスの玩具を手に入れたところだったので、タイムリー。勘違いしたウマソウがかわらしい。親元に帰してあげたところで、泣きそうになった。けど、肉食だって悪くないことは息子に伝えておきたい。これからもウマソウはティラノの技で強くたくましく生きていけそう。
読了日:09月24日 著者:宮西 達也

五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ (講談社ノベルス)五覚堂の殺人 ~Burning Ship~ (講談社ノベルス)感想
堂シリーズ3作目。毒島の再登場、嬉しい!今回は直接巻き込まれなかったからか、前作より数学ネタが少なくスイスイ読めた。館の可動部分は予告されていてもさっぱりだったけど、隠すのが苦手なのか前作と同じく身体的特徴はすぐ分かってしまった。にしても、今回はあの人が被害者とあって驚いた。神はなんなのか。人気が出そうなキャラではあるけど、十和田の事件解明前提で殺人教唆するとかもはや悪魔。タチの悪いかまってちゃんぶりに苛々させられるというか、面倒くさいというか。非常に気になるところで終わったので、さらに続きを追います。
読了日:09月21日 著者:周木 律

ワーキング・ホリデー (文春文庫)ワーキング・ホリデー (文春文庫)感想
旅のお供にお仕事ものをチョイス。息子がいるので男の子の話には滅法弱く、進くんがまあかわいくてかわいくて。まあ実際は、夫を見てても父親になるのに半年以上かかったという実感があるので、いきなり10歳の子が訪ねてきてすぐにこんないい親父になれる訳ないだろうとも思いつつ、そこを言うのは野暮ってもんで。世間知らずなナナの説教には軽くイラっとしたけど、ヤマトをはじめ周りの人柄に読まされました。続編も楽しみです。ちなみに、父親×しっかりした息子モノといえば、宮部みゆきさんの「ステップファザー・ステップ」も超オススメ。
読了日:09月18日 著者:坂木 司

だんごむしうみへいくだんごむしうみへいく感想
「だんごむし そらをとぶ」が気に入った3歳虫好き男子に。今度は海に冒険。だんごむしは水中でも大丈夫ってとこに驚いた。かたつむりが死んじゃったと勘違いしたところは私も一緒にショックを受けたけど、無事でよかった。最後はお仲間の足モジャモジャ系と出会う。だんごむしが私的ギリギリラインなので、彼らの造形はちょっと気持ち悪かったけど、お仲間に会えて良かったね。
読了日:09月13日 著者:松岡 達英

昆虫 (なぜ?の図鑑)昆虫 (なぜ?の図鑑)感想
人気育児ブロガーさんがおすすめしていた図鑑。3歳になってから虫大好きな息子が父と楽しそうに眺めています。私自身は虫が大の苦手なのでちらっとしか見ていないのだけど、豆知識がいっぱいあって、好奇心が高い息子には良いかもしれない。
読了日:09月11日 著者:

ゴーストハント1 旧校舎怪談 (幽BOOKS)ゴーストハント1 旧校舎怪談 (幽BOOKS)感想
小野さんの屍鬼や十二国記が大好きなのですが、ホラーが苦手なので長らく躊躇していたシリーズについに着手。本当に十二国記と同一人物が書いたのかと思うほど、軽い文体に驚く。ほとんどが怪現象→物理的に説明がつけられる、の繰り返しで怖さはあまりなく、途中ちょっと中だるみした感はあるけど面白かった。ほぼデレることのないナルをはじめ、性格が悪い霊能者集団のキャラがいい。ジョンの関西弁には吹いたw怪現象が起こる校舎に平気で出入りする麻衣が一番凄い。赤いマントの怪談はご主人である綾辻さんの短編にも出てて、おぉっとなった。
読了日:09月09日 著者:小野 不由美

ピン・ポン・バスピン・ポン・バス感想
3歳息子に。竹下文子さんののりものの絵本はやっぱりいい。丁寧な描き込みには何度見ても新たな発見があるし、中に出てくる人たちもあたたかい。男の子のためにスピードを落としてあげるシーンが特に好き。通院や図書館通いなどで路線バスはよく乗る我が家。忘れかけていたけど、息子が1歳の頃、他の働くくるま達を差し置いて圧倒的にバスが好きだった。だから選んだのかな?
読了日:09月08日 著者:竹下 文子

じごくのそうべえ (童心社の絵本)じごくのそうべえ (童心社の絵本)感想
3歳の息子リクエスト本。参観日に自分の好きな絵本を発表するという企画があり、何人かの子どもが「じごく」の絵本を挙げていて、最初は東村アキコさんが紹介してた「地獄」の方かと思ったけど、年少クラスでそんな本読む訳ないか^^;私は読み聞かせしてて楽しかったけど、関西弁ネイティブでない方はもしかしたら読みにくいのかも。怖いのか怖くないのかよくわからない地獄ですが、息子はこの地獄の仕組みをよく知っていて、初読の母に色々と教えてくれました。上方落語を絵本化した作品だそうですが、うんこおしっこおならは笑いの鉄板ですね。
読了日:09月06日 著者:田島 征彦

こわがりのはしごしゃこわがりのはしごしゃ感想
3歳息子が図書館で自分で選んだ本。ちょっと冗長というか、話についていけないのか、これまで二度読んで二度とも途中で挫折していたけど、今夜初めて最後まで読めました。思ったよりいい話で目が潤んだ。もっと文章がすっきりしていたら良かったのだけど。息子は自分も怖がりなことを棚に置いて「なんでこわいの?おみずがかおにかかるのがいやなの?」とコメント。
読了日:09月03日 著者:松野 正子 なかのひろたか

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『真夜中の探偵』 有栖川有栖

数年前に失踪した母親の行方がつかめぬまま、17歳の空閑純は大阪で独り暮らしを始める。探偵行為の科で逮捕された父親との面会が許されない状況下、思いがけない人物に声を掛けられたことをきっかけに、純は探偵への道を歩きだす。木箱に入った元探偵の溺死体が発見され、純は「水の棺」の謎に挑戦する。



学生・作家アリスシリーズがとても面白かったので、
こちらは単発の作品だと思って手を出したのだけど、
今まで読んだ有栖川作品とは全然雰囲気が違う本作。

北海道と本州が分断され、探偵行為が禁止されるというパラレルワールドの日本。
ソラが親譲りの探偵の素質を活かして
事件を鮮やかに解決するのかと思いきやそういう訳でもなく、
謎をいっぱい残したまま終了。

なんだか終始不思議な雰囲気が漂い、
これってシリーズ物だったの?と最後の最後に気づいた時のやっちゃった感。
シリーズ物はちゃんと順番に読みたいタイプなのです^^;

ストーリーとは関係ないことだけど、
有栖川さんの大阪弁は違和感がなくて、耳に心地良いところが好き。
土地勘のあるところが舞台で(というか有栖川作品はそもそも地元が多いのですが)
その辺はテンションが上がりました。

わざわざ一作目に戻って読みたい読後感ではなかったけど、
謎だらけで続きは気になるので、この後続けて三作目は読んだという
なんだか変な読み方をしています。


★★★☆☆


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『生ける屍の死』 山口 雅也

ニューイングランドの片田舎で死者が相次いで甦った。この怪現象の中、霊園経営者一族の上に殺人者の魔手が伸びる。死んだ筈の人間が生き還ってくる状況下で展開される殺人劇の必然性とは何なのか。自らも死者となったことを隠しつつ事件を追うパンク探偵グリンは、肉体が崩壊するまでに真相を手に入れることができるか。


西澤保彦さんの「死者は黄泉が得る」が面白くて、
こちらの作品をモデルにしたとのことで
長らくずっと読みたかった作品ですが…苦戦したー^^;
日本人作家さんの作品だけど、翻訳調の文章や外国の設定に馴染めず、
終始漂う死生観にも馴染めず、キャラに感情移入もできず…。
読了に一ヶ月以上かかりました^^;

普段海外物をほとんど読まない私にとっては読みにくかったけど、
日本では確かに成り立たない作品で、真犯人も予想外の人物。
エピローグのグリンの話にぐっときました。
苦戦したけど読んでよかった。

ちょいちょいギャグが入っているあたり、
西澤さんと同じ匂いを感じる作家さんでした。笑
山口雅也さんは翻訳っぽいお話が多いそうなので、
また元気があるときに挑戦したいと思います。


★★★☆☆ 3.5


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